2026.04.06

せんべいの種類いろいろ!醤油や塩などの味付けや食感での分類、変わり種もご紹介

おやつの定番として親しまれているせんべいですが、一口に「せんべい」といっても種類は豊富で、味付けや食感によってさまざまに分類することができます。定番の醤油せんべいや塩せんべい、甘みのあるざらめせんべいは、香ばしさと多彩な味わいが魅力です。歯ごたえのある堅焼きせんべい、軽い口当たりの薄焼きせんべい、サクサクとしたソフトせんべい、しっとりとしたぬれせんべいはそれぞれ異なる食感が特長です。

では、味や食感以外には、どのような分類があるのでしょうか。今回は、多彩なバリエーションが魅力のせんべいをいくつかの視点で分類し、それぞれの特徴や楽しみ方をご紹介します。

米や小麦などの「原料」で
せんべいの味や食感はここまで変わる!

せんべい

一般的なせんべいは、米や小麦といった穀物原料、あるいは加工原料であるデンプンを使って作られますが、この原料の違いはせんべいの食感を大きく左右しています。

せんべいの中でも主流なのが「米(うるち米)」を使ったものです。うるち米は粘りが少なく膨らみにくいため、うるち米原料のせんべいは堅くパリッとした食感になります。また米を粉にする時、粗く挽けば挽くほど基本的に堅いせんべいになります。なお、うるち米ではなく粘りの強い「もち米」を使うと食感はサクッと、形はぷっくり膨らんで、そうしてできたものはせんべいではなく、「おかき」や「あられ」と呼ばれます。

せんべいには「小麦」で作られるものもあります。
代表的なもののひとつが「南部せんべい」です。小麦の素朴な味わいには甘みもほんのり感じられ、クッキーのようなポリポリ・サクサクしたものから堅く噛み応えのあるものまでその食感は多岐にわたります。

3つ目がデンプンを主原料としたせんべいです。使われるデンプンは馬鈴薯(じゃがいも)デンプンであることが多く、愛知の「えびせんべい」が代表的です。デンプン原料のせんべいは、口の中で溶けるような軽さが特徴です。今度せんべいを食べるときは、ぜひ主原料にも注目してみてくださいね。

☆「うるち米」と「もち米」の共通点と違いについて詳しくはこちら。
せんべいとおかき、あられの違い。うるち米って知ってますか?
炭水化物とは?うるち米やもち米に含まれる栄養素が体内エネルギーをつくる

堅焼き、薄焼き、ぬれせんべい、揚げせんべい…
食感に直結する「製法」の違い

せんべい

せんべいの製法(焼き方・仕上げ)も食感に大きく影響します。基本的にせんべいは原料の米を砕いて練り、蒸して餅状にして乾燥させ、鉄板や網で焼いて仕上げますが、このとき、厚さや焼き時間を調整することで食感を変えています。※1

生地に適度な厚みを持たせて成形し、しっかり乾燥させて高温で焼き上げると、噛み応えのあるバリバリとした「堅焼き」になります。一方、薄く伸ばした生地を短時間で焼くと、芯まで火が通り、パリッとした口当たりの「薄焼き」になります。

なお三重県には日本一堅いともいわれる「かたやき」なるせんべいがありますが、こちらは醤油味の一般的な「堅焼きせんべい」とは別もので、伊賀忍者の携帯食が起源だとか。小麦粉を原料としており、その堅さからハンマーで砕いて食べるのだそう。そう聞くと一度は試してみたくなりますね。※2

また、焼いた直後のせんべいを醤油に浸すと、しっとりもちもちの「ぬれせんべい」に仕上がります。冷める前の熱々状態でタレに浸すのがポイントで、冷めた後の、たとえば市販の醤油せんべいを濡らしても、ただの湿気たせんべいになってしまいます。※3

さらにせんべいには、油で揚げる「揚げせんべい」もあります。高温で揚げると、せんべいに含まれていた水分が一気に蒸発し、水分の抜けた隙間に油が入り込んでカラッと揚がります。それを油切りすることで隙間に空気が入り込み、サクサクッとした軽い食感のせんべいが生まれます。※4

☆パリパリ、ふわふわ、しっとり…テクスチャでみる日本の和菓子について詳しくはこちら。
「咀嚼」はカラダにいい?お煎餅の咀嚼音「パリパリ」は世界共通か?
求肥(ぎゅうひ)って何?和菓子作りに大活躍!おもち、白玉、すあまとの違いって?

醤油か塩かそれとも変わり種?
食感や味付けの組み合わせで広がるせんべいの魅力

せんべい

せんべいの味付けといえば醤油や塩を思い描くかもしれません。しかし、こうした味付けは原料や製法に合わせてそれぞれの持ち味が引き出されるように工夫されています。

たとえば米を原料とする堅いせんべいでは、濃厚な醤油ダレが伝統的な味付けといえるでしょう。堅い生地に適度にタレが染み込み、いっそう香ばしい味わいになります。タレを塗って再度乾燥させて焼くこともあり、そうすると香ばしさが引き出されます。

パリッとした軽い口当たりのうす焼きせんべいには、あっさりした塩味や、サラダ油を塗って塩をまぶしたサラダ味がよく合います。ざらめをまぶしたり、砂糖コーティングをほどこしたり、海苔やチーズ、スパイシーなソースなどちょっと変わり種の味付けもサクッとした薄めのせんべいと相性が良いようです。

小麦粉やデンプンを原料としたせんべいには、生地にえびやピーナッツ、味噌などの素材を練り込んだものが多く見られます。こうした素材を練り込んだせんべいは、米を原料としたものも含め、味付け自体はシンプルなものが多いのが特長です。

どのせんべいも、それぞれの素材や製法を活かしながら、さまざまな味付けとの組み合わせによって多彩なおいしさが楽しめるのが魅力です。

☆おせんべいの魅力は味わいだけでなく、その長い歴史にもあります。日本人に親しまれてきた背景については、こちらの記事をご覧ください。
お煎餅の歴史とは?国民的アニメにも描かれた日本のソウルフード

地域や用途で選ぶせんべいの種類いろいろ

せんべい

せんべいは原料や製法、味付けの違いだけでなく、地域に根差した分類をすることもできます。いわゆる「ご当地せんべい」です。代表的なものとしては、埼玉県の草加せんべい、青森や岩手の南部せんべい、兵庫県の炭酸せんべい、愛知県のえびせんべいなどがよく知られています。他にも日本各地で明太子や味噌、シーフードなど地方の特産品を入れたせんべいが作られているので、お出かけの際にはせんべいをチェックしてみてはいかがでしょうか。

せんべいを用途別で分類することもできます。自宅での日常食なら、大袋入りの徳用せんべいや、「久助」と呼ばれる割れたり欠けたりしたせんべい、または多種類のせんべいが入ったアソートタイプが気軽に楽しくいただけるかもしれません。一方ギフト用としては、個包装されたものや高級感のある箱入りせんべい、ボリュームのあるふきよせなどが好適です。

私たちにとってとてもなじみ深いせんべいですが、こうしていくつかの切り口で分類してみると、それぞれの違いがより面白く感じられますね。これらの特徴を参考に、ぜひお気に入りのせんべいを見つけてください。また、マヨネーズやチョコや七味などをトッピングしてアレンジするなど、自分だけの新しい味を「開発」するのも楽しいかもしれません。

☆堅焼きなら「越後樽焼
歯ごたえがあり、香ばしい風味が特長の堅焼きせんべい。噛むたびにお米の旨味と香ばしさが広がり、昔ながらの味わいを楽しめます。

☆薄焼きなら「新潟仕込み
薄く焼き上げたパリッとした食感が特徴のせんべい。お米のつぶつぶ食感とうまみが口の中にやさしく広がり、ついつい手が伸びるおいしさです。

☆素材を楽しみたいなら「 丸大豆せんべい
丸大豆を使用し、香ばしさと優しい甘みを生かしたせんべい。素材そのものの味わいが引き立ち、お茶請けやおやつにぴったりです。

☆柔らかい食感なら「ぱりんこ
ずっと変わらないシンプルなおいしさのせんべいは、しっとりとした口当たりで、子どもから大人まで楽しめる優しい食感。軽く食べられるので、毎日のスナックにもおすすめです。

☆せんべいのアレンジの楽しみ方について 詳しくはこちら
おせんべいの絶品アレンジレシピ トッピングや味変で広がる楽しみ方

【参考文献】
※1 全国米菓工業組合
https://www.arare-osenbei.jp/make/#Osenbei
※2 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/katayaki.html
※3 株式会社イシガミ
https://www.nuresenbei.co.jp/product/nuresenbei
※4 一般社団法人 日本植物油協会
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO02098070Q6A510C1000000/

  • 澤 晶子

  • ライタープロフィール
    澤 晶子(サワ アキコ)
    WEB編集者・ライター
    長年、学習塾・家庭教師勤務。フレンチ・イタリアンレストランでの勤務経験も豊富。趣味は食べ歩きと料理。季節のグルメのお取り寄せにも目がなく、特に地方限定銘菓が大好きです。