和菓子の代表選手である、おせんべい。そのまま食べるのももちろんおいしいですが、トッピングを工夫したり、洋風に味変したりと少し手を加えるだけでスイーツや朝食としても楽しめます。おうちでも簡単に作れる、おせんべいのアレンジレシピを紹介します。おせんべいを見る目が変わるかもしれませんよ。
お米が原料のおせんべいはおつまみやスイーツにアレンジ自在
お米が原料のおせんべいは、いろいろな食材と相性が良いのをご存じでしょうか。生クリームや果物など、甘い食材と組み合わせるとおせんべいのしょっぱさが甘さを引き立て、インパクトが強いスイーツに大変身。そして、意外にもマヨネーズや、チーズなどの乳製品との相性も抜群です。
お米からできたおせんべいは、熱と水分を加えることで「パリパリ→もちもち」へと食感が変化します。こうしたおせんべいの特徴を生かして、いつものおせんべいを“味変”してみませんか?
ソフトな食感の塩味のおせんべい「ぱりんこ」やハードな食感の醤油味のおせんべい「越後樽焼」、マイルドな甘さと塩味が絶妙なソフトせんべい「雪の宿」を使った簡単アレンジレシピに注目です。
夏休みに作ろう!朝食やおやつにおすすめのおせんべいレシピ
お米が原料のおせんべいは、じつは朝食にも活躍します。ソフトな塩味の「ぱりんこ」は、卵やツナなどおかず系の食材と相性が良く、卵サラダやツナサラダを作り、ディップとして食べると栄養価もアップします。また、小さく割ってスープに入れるとクルトンのような食感のアクセントが楽しめます。おせんべいを噛むことで満腹感も得られ、忙しい朝や食欲がないときでも手軽にエネルギーチャージできます。
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お米が原料のおせんべいに合う「朝食ディップ」
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【材料 1人分】
・ぱりんこ 4枚〈卵サラダ〉
・卵 1個
・マヨネーズ 大さじ2
・塩、こしょう 少々
【作り方】
❶ 鍋に卵が浸るくらいの水を入れ、沸騰してから10分茹でる。
❷ 茹で終わったらすぐ冷水につける。
❸ ゆで卵をフォークで粗くつぶす。
❹ ❸にマヨネーズ、塩、こしょうを入れてよく混ぜる。
❺ 「ぱりんこ」を卵サラダにつけていただく。
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クルトン代わりに活躍!「ぱりんこの“食べる”朝食スープ」
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【材料 1人分】
・ぱりんこ 2枚
・インスタントスープ(本レシピではコーンポタージュ使用) 1袋
・湯 適量
【作り方】
❶ 「ぱりんこ」を袋の上から手で粗く砕く。
❷ カップにスープの素を入れ、規定量の湯を注いだら、❶をスープに浮かべて完成。
続いて「ぱりんこ」を使ったおやつレシピを紹介します。「ぱりんこ」にバターやチーズを乗せてオーブントースターで軽く焼くとパンケーキ風に。ほかにも、卵・砂糖・牛乳を混ぜた液に「ぱりんこ」を浸してからフライパンで焼くと、フレンチトースト風に仕上がります。浸す時間を変えると、ふんわりからもっちりへと食感の変化も。材料もシンプルで簡単に作れるので、おやつ作りにもおすすめです。
バターとメープルシロップの香りがたまらない!「ぱりんこのパンケーキ風」
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【材料 1人分】
・ぱりんこ 4枚
・有塩バター 10g
・メープルシロップ 適量
【作り方】
❶ 「ぱりんこ」に有塩バターをのせ、オーブントースターで40秒〜1分焼く。
❷ バターが溶けだしたところで皿に盛り付け、好みでメープルシロップをかけて完成。
浸して焼くだけ!もちもち食感「ぱりんこフレンチトースト風」
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【材料 1人分】
・ぱりんこ 6枚〈卵液〉
★卵 1個
★牛乳 100ml
★砂糖 大さじ3有塩バター 10g
〈トッピング〉
・粉糖 適量
・メープルシロップ 大さじ1
【作り方】
❶ ボウルに★を入れてよく混ぜ、「ぱりんこ」を浸す。長めに浸すのがポイント。
❷ フライパンを熱し、有塩バターを入れて溶かし、❶を焼く。
❸ 焼き目がついたら裏返し、弱火で2分ほど焼く。
❹ 表面に焼き色がついたら火から下ろしてお皿に盛り付ける。好みで粉糖、メープルシロップをかける。
ほかにも、ぱりんこの片面に電子レンジで溶かしたチョコを塗り、果物やナッツを乗せて冷蔵庫で冷やせば、華やかなスイーツが完成します。ぜひお試しください。
定番の醤油味せんべいはおつまみや甘じょっぱいおやつに味変
定番の醤油味のおせんべいは大人のおつまみにアレンジできます。ちょっと気の利いたおつまみが欲しいけれど、作る時間がない、作るのが億劫……。そんなときは醤油味のおせんべい「越後樽焼」が活躍します。醤油味と相性が良いマヨネーズやお好み焼きソースをかけるだけで、お好み焼き風のおつまみに。ビールが欲しくなる一品です。好みで鰹節や紅ショウガなどを加えてもおいしいですよ。おせんべいを使えば、おつまみにぴったりな一品があっという間に作れそうですね。
余ったおせんべいをおつまみに味変!「お好み焼き風越後樽焼」
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【材料】
・越後樽焼しょうゆ 適量
・お好みソース 適量
・マヨネーズ 適量
・青のり 適量
【作り方】
❶ 「越後樽焼しょうゆ」をお皿に並べ、好みでソース、マヨネーズをかけたら完成。
甘じょっぱいおやつが食べたくなったときは「越後樽焼ごま」を使ったおこし風はいかがでしょうか。おせんべいをビニールに入れ、めん棒などで細かく砕き、砂糖と水あめをチンしたものと混ぜて冷やせば、簡単におこし風のおやつが完成します。ピーナッツやくるみを混ぜても絶品。成型するのが大変なら、平らに伸ばして冷えてから手で割ってもOKです。
ごま風味のおこしを手作り!「越後樽焼おこし」
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【材料】
・越後樽焼ごま 10枚(約50g)〈A〉
・砂糖 大さじ3
・水あめ 小さじ2
・水 小さじ2
・ごま油 小さじ1/2
【作り方】
❶ 「越後樽焼ごま」を砕き、クッキングシート2枚を用意する。
❷ 耐熱ボウルにAを入れ、電子レンジ(500W)で約90秒加熱する。
❸ 火傷をしないよう注意しながら❷を取り出し、ごま油を加えて軽く混ぜ、さらに電子レンジ(500W)で約60秒加熱する。
❹ 火傷をしないよう注意しながら❸を取り出し、砕いた「越後樽焼ごま」を入れて混ぜ合わせる。
❺ クッキングシートの上に❹を乗せ、もう1枚のクッキングシートを上からかぶせて押し広げる。
❻ 堅いので手を怪我しないよう、注意しながら包丁で食べやすい大きさにカットをして完成。
ほかに、醤油味のおせんべいは甘いものとも相性が良いので、トースターで焼いたマシュマロや抹茶アイスクリームをおせんべいでサンドしていただくのもおすすめです。
また、砕いた醤油味のおせんべいは、炊き込みごはんにも一役買います。炊き込みご飯の具と一緒にお米に混ぜて炊き上げると、おせんべいが溶け、まるでもち米で炊いたような、もちもちとしたおこわ風に仕上がります。おせんべいの量の目安は1合に30〜50g程度。水加減はお米の量に合わせます(調味料を使っている場合は、調味料分の水分量を差し引きます)。
レンチンやトッピングでおせんべいがおしゃれスイーツに!
塩味、醤油味以外のおせんべいでも、アレンジ次第でおしゃれなスイーツに変身します。たとえば甘さと塩味が絶妙な「雪の宿」なら、たっぷりのクリームをはさんでマリトッツォ風に。植物性ホイップでもおいしく仕上がります。上手にクリームをはさむのが難しければ、フルーツと一緒におせんべいに盛り付けるだけでも見映えよく作れますよ。しょっぱい、甘いの無限ループにはまりそうですね。
生クリームをやフルーツをはさむだけでおしゃれに!「雪の宿マリトッツォ」
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【材料 4個分】
・雪の宿(雪の宿 黒糖みるく味でも可) 8枚
・生クリーム(植物性も可) 200ml
・砂糖 大さじ1と1/2
・好みのフルーツやナッツ 適量
【作り方】
❶ ボウルに生クリームと砂糖を入れる。
❷ ❶の入ったボウルを氷水に当てながら7〜8分立てに泡立てる(ホイッパーを持ち上げたときにかためのツノが立つくらい)。
❸ 「雪の宿」4枚を裏返し、❷の生クリームを端から2/3の面積にこんもりとなるように絞り袋やスプーン等を使ってのせる。
❹ 残り4枚の「雪の宿」を蜜の面が上になるように❸にのせる。このとき、上のおせんべいのフチを❸のクリームののっていない方のフチに合わせるようにしてやさしくクリームをはさむ。
❺ パレットナイフ等でクリームをきれいに整え、好みでフルーツやナッツをトッピングする。写真のトッピングはいちご、ピスタチオ、ココアパウダーを使用。
そのまま食べるのもおいしいおせんべいですが、ちょっと手を加えるだけでおしゃれなスイーツやおつまみに変身します。余ったおせんべいを消費するのにも役立ちますが、一度作ってみるとそのおいしさにハマって、レシピの定番になるかもしれません。火を使わない、電子レンジだけでできるレシピが多いので、夏休みにお子さんと一緒に楽しみながら作ってみてはいかがでしょうか。
☆歯ごたえのあるおせんべいは、咀嚼力を鍛えるのにも効果的です。こちらもあわせてご覧ください。
・子どもの咀嚼力は脳の発達や歯並びにも影響する?噛む力の大切さとは
・咀嚼で増える?マイオカインという幸せホルモンに似た物質の正体とは
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ライタープロフィール
澤 晶子(サワ アキコ)
WEB編集者・ライター
長年、学習塾・家庭教師勤務。フレンチ・イタリアンレストランでの勤務経験も豊富。趣味は食べ歩きと料理。季節のグルメのお取り寄せにも目がなく、特に地方限定銘菓が大好きです。
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