「秋が来て暑さが和らいだのに、なんだか体調が良くない」ということはありませんか? 秋に感じる疲れやだるさ、頭痛などの不調は「秋バテ」が原因かもしれません。
このような秋バテの症状が見られる場合は「カルシウム」の摂取がおすすめです。今回は、カルシウムの健康効果とカルシウム補給におすすめの食べ物をご紹介します。
秋バテかも?と思ったらカルシウムで自律神経を整えて
季節の変わり目は気温の変化が大きいため、体調を崩しやすい時期です。とくに、夏から秋にかけて起こる「秋バテ」は、「疲労感」「倦怠感」「頭痛」「めまい」「肩こり」「食欲不振」などさまざまな症状が見られます。秋バテの原因とみられるのは朝夕の寒暖差以外にも、秋雨前線と台風による「気圧変動」が影響して自律神経のバランスが崩れるためといわれています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれが交互に働くことで呼吸や体温、血圧、消化などの体の機能を調整しています。この交感神経と副交感神経のバランスが崩れると体の機能が乱れるため、体調が悪くなるのです。
自律神経のバランスを整えるには、ミネラルの一種であるカルシウムの補給がおすすめです。ミネラルとは体を構成し、体の調子を整える役割を持つ栄養素です。カルシウムは体に必要なミネラルのひとつであり、神経の興奮を抑えて、神経の伝達を正常に保つ働きがあります。カルシウムを補給して秋バテを解消し、季節の変わり目を元気に過ごしましょう。※1
残暑の熱中症対策にもカルシウムを摂取しよう
秋になったとはいえ気温が高い日が続く場合は、引き続き熱中症にならないよう注意が必要です。
熱中症とは、体内の水分やミネラルが不足して体温を調整できなくなり、体に不具合が起こった状態のこと。気温の上昇により大量に汗をかくと、熱中症のリスクが高まります。汗には水分だけではなくミネラルも含まれているため、汗をかくと水分とミネラルが失われて熱中症にかかりやすくなるのです。
汗に含まれるミネラルはナトリウム(塩分)が多くを占めることから、熱中症の予防には水分と塩分の補給が有効とされています。しかし、汗にはカルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルも含まれています。水分や塩分とともにこれらのミネラルを摂取すると、より効果的に熱中症を予防できるでしょう。※2
残暑の熱中症対策には、水分と塩分に加えてカルシウムなどのミネラルを補給することをおすすめします。
☆「熱中症」についてはこちらもご覧ください。
・熱中症や夏バテ予防のための水分補給 ポイントは水分と塩分の摂取!
骨を丈夫にするカルシウム、骨粗しょう症の予防にも!
カルシウムは人体にもっとも多く含まれるミネラルとされており、そのほとんどが骨に存在しています。私たちが日々健やかに活動できるのは、丈夫な骨が体を支え、筋肉と連携して動きを生み出してくれるおかげです。
とくに閉経後の女性は骨の形成を促す女性ホルモンの分泌が減少するため、骨密度が低下し骨がもろくなります。このため、骨折しやすくなる「骨粗しょう症」を発症するリスクは、男性よりも女性の方が高いとされています。
2024年、厚生労働省による国民の健康づくり運動である「健康日本21」について、第3次の取り組みがスタートしました。第3次では新たに「女性の健康」に焦点が当てられており、骨粗しょう症検診受診率の向上が目標のひとつに加えられています。※3
実際に、70歳代女性の3人に1人、80歳代女性に至っては2人に1人が骨粗しょう症であることがわかっています。女性の平均寿命が87歳を超える現代において、女性の健康長寿を実現するためには、骨粗しょう症予防への取り組みが不可欠なのです。
骨を構成するカルシウムを摂取すると骨密度が高まり、骨粗しょう症を予防できます。日ごろからカルシウムを積極的に補給して、丈夫な骨を作りましょう。
カルシウムでフレイルを予防し、いつまでも元気な体に
歳を重ねることで起こる体の変化は、骨密度の低下だけではありません。筋力が衰えて、認知機能も低下するでしょう。このように、心身が老い衰えた状態を「フレイル」といいます。フレイルが進行すると自分の力で生活を送ることが難しくなり、介護が必要な状態に陥ってしまいます。※4
日本は世界でも屈指の長寿国です。しかし、これからは寿命を延ばすだけではなく、介護を必要とせずに自立して健康的に生活できる期間、つまり「健康寿命」をいかに延ばすかが重要とされています。
そこで注目したいのが、骨の健康です。加齢により骨密度が低下すると、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。高齢者の骨折は大けがにつながりやすく、回復にも時間がかかります。骨折が原因で寝たきりの状態になれば、フレイルの進行が助長されるでしょう。
フレイル予防のためにも、骨密度を維持することは大切です。いつまでも元気に体を動かし健康的に生活できるよう、カルシウムを摂取して強い骨を保ちましょう。
カルシウムの補給におすすめの食べ物と吸収率を高めるコツ
カルシウム補給で1番に思い浮かべる食べ物は、牛乳ではないでしょうか? 実際に、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品にはカルシウムが豊富に含まれています。そのほか、ちりめんじゃこや干しエビなどの骨や殻ごと食べられる魚介類、納豆や豆腐などの大豆製品、小松菜やチンゲン菜などの野菜にもカルシウムは多く含まれています。
ただしカルシウムは吸収率が低く、食べ物に含まれるものがすべて体で利用されるわけではありません。そのため、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、カルシウムの骨への取り込みを促すビタミンKを一緒に摂取するのがおすすめです。
ビタミンDは鮭やイワシなどの魚やきのこ、ビタミンKはほうれん草などの葉野菜や納豆に多く含まれています。
これらの食べ物を組み合わせて食事に取り入れ、効率的にカルシウムを補給しましょう。※5
カルシウムは骨の健康維持のほかにも秋バテや熱中症予防など、毎日の体調管理にも必要な栄養素です。さまざまな食べ物からカルシウムを摂取して、健やかな体づくりに取り組みましょう。
☆おやつ・お茶うけ・おつまみでカルシウムを手軽にとるなら「じゃこ気分」・「えび活」がおすすめ
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・じゃこ気分
・えび活
【参考文献】
※1 国立循環器病研究センター
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet01/
※2 環境省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/attach/pdf/nechu-44.pdf
※3 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001158810.pdf
※4 公益財団法人 長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html
※5 公益財団法人 骨粗鬆症財団
https://www.jpof.or.jp/Portals/0/images/publication/leaf_02_181003.pdf
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ライタープロフィール
いしもとめぐみ
管理栄養士。一般企業勤務を経て、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験。現在は、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。日本ワインとおいしいものが大好き。
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